hăochī diary

食べて観て良いと思ったものの記録。時々旅行記やB級グルメ

【思いつき2泊3日直島の旅⑨】地中美術館

直島観光で最も外せないスポットに挙げられることの多い地中美術館には滞在2日目に訪れました。

 

昨年から事前予約が必要になっていたそうですが、今年は密回避のためか15分区切りになっている1つのタイムスロットに15人までしか予約できないようになっていました。

予約はこちら↓

www.e-tix.jp

 

この日は午前はゆっくり朝食を食べ宮浦探索、午後は家プロジェクトをみたかったので、中間にあたる11時15分のスロットに予約。

2100円の鑑賞料支払いと検温をチケット売り場で済ませ、そこから徒歩3分くらい歩くと美術館があります。道のりにモネを意識したようなポンドとガーデンもありました。

 

入場ゲートを通過すると一切写真撮影禁止。外観も撮らせてもらえないという徹底ぶり。

下調べをあまりしないで行ったので、リーフレットを渡されたとき正直3アーティスト作品9点のために2100円はなかなか強気なお値段だと感じていたのですが。。。

中に入るとお値段以上の価値があることがよくわかりました。

 

順路は特に決まっておらず、好きな作品から観ることが可能。

中は3エリアに分かれていて、地下3階にウォルター・デ・マリアの「タイム/タイムレス/ノータイム」の部屋、地下2階にクロード・モネの「睡蓮」5作品の部屋、そしてジェームズ・タレルの3作品の部屋、となっていました。

 

一番興味があったのはジェームズ・タレルだったのですが、地下2階のカフェを終着点にしたかったので地下3階から上がっていくルートで鑑賞。

 

まずはウォルター・デ・マリアのお部屋へ。

壁に金箔で塗られた木材が神棚のように配置され、中央の踊り場に花崗岩でできた球体がどっしりと置かれた緊張感の漂う空間。

球体の真上から外光が差し込むようになっていて、訪れる時間帯によって変化する光と作品を楽しめるようになっていました。

 

宗教色が少ない現代アートにはあまり感じることのない神々しさが、この作品にはありました。

友人に聞いたお話ですが、本当にこの作品に向かってお祈りをする外国人観光客もいらっしゃるそうです。

なんだかその気持ちがよくわかるような。。

 

続いては地下2階に移動してクロード・モネのお部屋。

ここは靴を脱いで入ります。白い小石をしきつめたような床だったので、汚れ対策かな。。?

 

モネの代表作でもある大きな睡蓮5作品が整頓されて展示されていました。

このお部屋もまた光の入り方が素晴らしく、壁をつたって隙間から程よく入る自然光が絵を引き立てていました。

外は灼熱のかんかん照りなのに、この部屋だけは曇り日のような白さと美しさ。。。

遠くから作品を見ると、雨の日のような湿気を含んだ空間にも見え、先ほどのウォルター・デ・マリアの空間で味わった緊張感とはまた違う、しっとりした落ち着きを見せるお部屋でした。

 

最後にジェームズ・タレルのお部屋へ。

「アフラム・ペール・ブルー」、「オープン・スカイ」、「オープン・フィールド」の3作品を体験できました。

 

浅い前知識では「オープン・スカイ」のような空を切り取ったようなアートをしている方なのかな、くらいしか知らなかったのですが。。。ジェームズ・タレルは正に光の魔術師でした!

地中美術館ですっかり虜に。

 

一番感動そして衝撃を受けたのは「オープン・フィールド」。

生まれて初めての、作品の中に入っていく感覚を体験しました。

そしてその作品の中は霧か雲の中にいるかのようなフワフワした異空間になっているという。。。

光があると必ず影ができるはずなのに、光を駆使して作られたはずの「オープン・フィールド」の空間には影がなかったんですよね。。。一体どうやっているのだろう。。。

 

3つしかお部屋ないし、ブログで30分でOKって書いてる人いたし、と思って完全に地中美術館を舐めてかかってたのですが、結局カフェでの水分補給も入れたら2時間越えで滞在。

滞在時間をがっしり決めないで自由に感じるがままに鑑賞するのが適している美術館でした。

 

作品のために空間があり空間のために作品があるような、今迄観たことの無い形の美術館でした。

安藤建築の中で一つ一つの作品を吟味しながらのんびり過ごした2時間。

とっても満足です(^^)

f:id:Ikurachang:20200907011038j:plain

地中カフェで飲んだソーダ

オリーブサイダーは当たり障りのないお味でした