hăochī diary

食べて観て良いと思ったものの記録。時々旅行記やB級グルメ

【思いつき2泊3日直島の旅③】李禹煥美術館

テルチェックイン後、18時からのディナーまで2時間半ほど時間があったので徒歩圏内で行きやすい李禹煥美術館に歩いて行くことに。

 

瀬戸内の海は本当に穏やか。。雲の切れ間から光が差し込んでなんとも幻想的な景色が見えました。

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李禹煥美術館までの道のりで見た景色

興味はあるけど特にアートや建築への造詣が深い訳ではなく、思いつきで直島に来てしまった私たち。恐縮ながら李禹煥(リー・ウーファン、Lee U-fan)について本当に何も知らないまっさらな状態で足を運んでしまいました。汗

日本の現代美術の大きな動向であった、1960年代から活発だった「もの派」の主導者だそうです。。ふむふむ。。

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李禹煥美術館入り口


到着してすぐに視界に入って来た、館前に鎮座する巨大な岩と塔…この奥に、安藤忠雄建築の美術館があります。うーん難解そうな匂い。

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柱の広場

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3mはありそうな高い打ちっぱなしコンクリートの道を進みます。非日常に連れていかれるような独特な雰囲気にワクワク。

 

どこでもまずは手指消毒と検温。入場料1050円を支払い美術館の中へ。。。

パンデミック期よりは人が動き始めてるとはいえ、コロナ禍であるのと、閉館時間が近いのとで館内はほぼ貸し切り状態でした。

2019年までは体感7割くらいの観光客が外国人だったそうなので、直島のこの状態は暫く続きそうです。

 

館内は撮影禁止。

中は照応の広場、出会いの間、小間、沈黙の間、影の間、瞑想の間と分かれていました。

入場時に頂いたリーフレットには「海と山に囲まれた谷あいの地で、李禹煥の作品と安藤忠雄の建築が周囲と響き合い、静かに思索する時間を与えます」とあり。。

その言葉通り、本当に静かな、ただひたすらゆっくり考える時間を過ごしました。

私の体感ですが、鑑賞するというよりも作品と対峙するような感覚に近かったです。

 

最後に靴を脱いで入る「瞑想の間」はカップのような不思議な絵画が向かい合うように配置された真っ白いお部屋。

上を見ると天井が四角くくりぬかれていて、外光は暗く見えるように、でも木々がうっすら見えるように造られていて、今が一体何時なのかわからなくなる不思議な空間。

しばらくそこで沈黙を満喫したり、とりとめもないことを夫婦で話したりして過ごしました。

 

普段旅行に行くとどうしても「満喫しなきゃ」とか「休むんだから、仕事のことは考えてはいけない」とか考えてしまい、自由になったようでいて実は変な束縛の中で時間を過ごしがちでしたが、この瞑想の間ではひたすら思いついたことを考えては受け流していく、本当にあるがままの自分たちでいる自由な時間を過ごせたような気がしました。

 

難解な現代アートは作者の意図することは全然わかりませんが、作品を見てこういう時間を過ごせただけでもこの旅行に来て良かったなと実感。

 

李禹煥美術館を後にしてからは海まで続く柱の広場をひたすら歩きました。

広い空間に配置された石やアーチからは京都の石庭のような「侘び寂び」も感じられるような感じられないような。。。

でも石庭みたいに計算された感もなくて、「こう感じろ」というものもなく。。ただそこに居る感じ。。

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思ったよりも李禹煥美術館でゆっくり過ごしたので、ディナーの時間までにテラスレストランに戻らなければ。。美術館から一歩出ると人間の時間は有限であるという現実を突きつけられます。笑

 

この後は来た道と違う海側ルートでベネッセハウスに戻りました。

戻る道すがら、ただ置かれたボートがジェニファー・バートレットの「黄色と黒のボート」だったり、屋外ジャグジー風呂のようなものが蔡國強の「文化大混浴」だったり、と帰り道でも直島らしく偶然アートに出くわすことができました。

 

ディナーの前に、心が満腹(満胸?)になる程よいプランでした(^^)